遺品を整理するということは、遺族にとって大切な人が亡くなってしまって、そのままの状態にしておくわけにはいかないので、整理をせざるを得ないという側面があります。ただ、現実的にいつまでも悲しんではいられませんが、大切な人の遺品ということもあって、なかなか手を付けられないというのが実情です。

そういう大きな悲しみを抱えている人に寄り添って、遺品整理を手伝うのが遺品整理業者の仕事なので、極めて高い倫理性を求められるのですが、一方で遺品整理に関しては、専門業者だけではなく、ただ単にお金になるということを目的として参入しているケースが見受けられ、そういう場合には遺族と遺品整理業者との間でトラブルが起きることも多々あります。

遺品整理業者とのトラブル

実際にどのようなトラブルがあるのかというと、必ず登場するのは料金のトラブルです。例えば、見積もりの金額と実際の請求する金額が違うというトラブルはよくあります。これは実際に作業をしたら、他の作業も出てきたので、その作業として別途請求するというやり方です。本来見積を出した場合には、依頼した方としてはその金額で作業をしてもらえるということで、作業を依頼するのに、あとで別途請求すると言うのは悪質と言わざるを得ません。これは遺族としては故人のものの処理をするのに基本的にはお金を出すことを惜しまないという点を突いて、このような悪質なことをします。それ以外には不用品は買い取りますということで、高価な遺品を二束三文の価格で無理やり買い取ると言うやや強引なことをする遺品整理業者もいます。

遺品整理の仕事というのは、ここ数年で脚光を浴びている仕事ですが、実際のところ、今までご案内をしたようにトラブルの多い仕事であります。どうしてそういうトラブルが起きるのかというと、遺品整理の本質を知っている会社とそうじゃない会社がいるからです。これはどういうことかというと、遺品の整理と言うのは、亡くなった人の遺品を処分することではなく、亡くなった人の遺された遺族の心に寄り添う仕事です。ところが、遺品整理業者にはただ単に不用品を処分するだけと考えている会社もいるために、遺族の心情を逆なでする業者も少なくありません。

このようなトラブルが多くあると、せっかく故人のことで悲しい思いをしているのに加えて、不愉快な思いをせざるを得ません。でも、こういうトラブルがあるというのは遺品整理業者にはよく起きることです。

遺品整理士とは

そのため、こういう問題に直面しないようにするためには、どうしたらいいのかということですが、一番客観的に信用ができるのは、その遺品整理業者に遺品整理士がいるかどうかということです。遺品整理士とは?と思う方も多くいるかと思いますが、遺品整理士は遺品を整理すために、技術的なことはもちろん、遺族の心理状態などをしっかり学んで、まなんだ内容に即して遺品整理の実務をおこない資格者のことをいいます。ただ、遺品整理士の資格というのは、国家試験ではなく、民間資格ということもあり、その点を不安に思う人がいるかも知れません。実際には極めて体系的に学びます。遺品整理士を取得するためには、一般社団法人 遺品整理士認定協会の遺品整理士の講座を受講し、教材を学習したあとに、レポートを提出し、その内容に基づいて合否が決定します。学ぶ内容としては、
・遺品整理士とは
・社会的に要請されている遺品整理士
・遺品整理士を取り巻く社会内容について
・実際に遺品整理士が行うこと
・遺品整理士と法律
・実際の作業内容
・その他
といったことを3冊のテキストから学びます。

このように遺品整理士は、実務以外にも法律だけではなく、悲しんでいる遺族に寄り添うという高い倫理性のある、社会性の高い資格ということが出来ます。