遺品整理をする際に最も困るのは、遺品の種別です。つまり、どれを残していいのか、どれを処分するべきなのかということです。もちろん、貴重品などは遺された人たちにとって残しておくことは有効なものだと思いますが、逆にどのようなものを処分してしまえばいいのか、その根拠は何かということを考えると、処分の種別は難しいところです。そこで遺品を整理する際に、どのようなものを残して、どのようなものを処分するべきなのか、考えていきたいと思います。

遺品整理をする前に

遺品を整理する前にしないといけないことは、遺言書の存在の確認です。遺言書が見つからなければそのまま遺品の整理を進めましょう。ただ、遺言書がある場合には、そこには亡くなった人の意志が書かれていますので、まずは亡くなった人の意志を最優先して、遺品の整理をするようにしましょう。次にすることは遺された家族での話し合いです。遺品の中には価値あるものもたくさんあり、遺言書に記載されていなくても「相続」として受け取れる人が決まっている可能性もあります。遺品整理をする場合に一部の人が勝手に進めてしまうと、必ず親族間でのトラブルが発生してしまいます。そのようなことがないようにするためには、遺品の処理についてどのような基準で残しておくのか、あるいは処分をするのかということをここでしっかり決めるようにしないと、後で大きなトラブルになりますので、ここはしっかり注意して決める必要があります。

遺品整理で残すべきもの

まず、遺品を整理する上で残すべきものは、お金に関わるものです。具体的には、
・現金
・預金通帳
・印鑑
・証券関係
です。これらの遺品は、資産となるので、相続する遺族において配分されるものです。特にこれらの資産が大きい場合には、配分等で遺族間でトラブルになる可能性がありますので、その場合は弁護士など法律の専門家を相続会議に参加してもらい、法的に手続きをしてもらう必要があります。
次に残しておくべきものは、貴重品類です。具体的には
・鍵
・クレジットカード
・宝石
・宝飾品
・時計
・ブランド品
・絵画や壺、花瓶などの美術品
これらの貴重品は物によってはかなり高額なものになる場合もあるので、専門家などに査定をしてもらう必要があります。そして、それらをモノとして相続するのか、換金して現金として受け取るのか、納得できるまで調整しましょう。

次に契約書関係の書類も重要です。特に不動産の契約書や権利証などは大変重要な書類ですので、処分してはいけません。また、着物なども高価なもの場合もあるので、着ないから処分するというのではなく、査定をしてみる価値はありますし、大事に保管していれば、再利用できます。また、故人が着ていた普通の服も思い入れのあるものは残して置いてもいいでしょう。

遺品整理で処分するもの

遺品整理する場合に、処分するものとしては、故人の寝具です。あまり衛生上良くない場合がありますし、再利用もしないものですので、処分しても問題はありません。また、故人の所有していた本なども古書以外は本屋さんでも売っているので、これは処分しても問題ありません。また、家具や家電なども場所を取るので、もし売れるものであれば、買取業者に買い取ってもらったり、あるいは不用品回収業者に引き取ってもらうようにしましょう。ただ、買取業者や不用品回収業者には悪徳業者もいるので、業者選びは注意が必要です。というのは、業者によっては引き取ったのはいいけれども、不法投棄をする業者もいるので、そうするとその責任は依頼者となります。そのため、業者選びは慎重に選ぶ必要があり、遺品整理士の資格や一般廃棄物収集運搬業許可の認定を受けている業者を選ぶようにしましょう。