遺品整理をする場合には、一般的な不用品の処分とは違って、大切な人を亡くしてしまったという悲しみがあるので、遺品整理なんてなかなか手がつけられないというのが実情だと思います。ただ、例えば亡くなった人が賃貸住宅で亡くなってしまったという場合には、早く部屋を大家さんに明け渡さなければいけませんので、自分の気持ちにこだわりすぎて、遺品整理に手を付けなかったりすると、関係者に迷惑をかけてしまうことになります。そこで、遺品整理を片付ける時に、どのようにすれば効率的にできるのかということを考えていきたいと思います。

気持ちの問題を解決しよう

遺品整理でまずやるべきことは、気持ちの問題です。冒頭でもご案内したように遺品整理は普通の作業とは違って、悲しみの中でしなければいけない精神作業でもあります。特に大切な親族や友人や知人を失った悲しみを克服するのはとても大変な作業です。ただ、遺品整理をする場合には、それを乗り越えなければいけないので、悲しみを乗り越えるのはどうしたらいいのかということを考えていきたいと思います。

人に話をしてみる=カタルシス

この状態をなんとか克服する方法として、「人に話す」ということと「自分で書き出してみる」ということです。人に話をするというのはカタルシスという心理学の用語にもあるように自分の感情を人に話すと精神的に楽になる、ストレスが軽減されるということは科学的にも実証されています。いわゆる長寿というものを男女で比較すると、どこの国でも女性が長寿であるということが発表されています。これは女性が楽しいことであれ、悲しいことであれ、隠さずに人に話すのは女性の方が多いからだとされています。ここで、覚えていただきたいことは、大切な方が亡くなってしまったことを悲しむ気持ちを無理やり押し込めるようなことはしないで、話を聞いてくれるような友人や親族に話すようにすると、かなり精神的に楽になると思います。この作業は心理学の実験でも実証されているカタルシスという行為ですので、ぜひ実行していただくことで、気持ちの整理がつくはずです。

紙に書いてみる=ジャーナリング

次にこちらも精神医学の心療内科でも実施されている資料技術にジャーナリングという作業があります。これはどういうものかというと、心療内科の患者の感情を自由に書き出させるという作業です。一般的に喜怒哀楽の感情が高まっている時に紙に思っていることを書き込むことで気持ちが落ち着くということがあります。これはジャーナリングという作業によって生まれる結果で、これは心理学的において感情を言語化することで気持ちが整理できるということが実際に実証されています。ジャーナリングで書くことは、もちろん今の自分の悲しみなどを書くということももちろん大事ですが、今やるべき遺品整理についてTo Doリストなどを作成するということも良いと思います。

遺品整理の具体的な作業

次に具体的なことについてお話をします。遺品整理をする上では次のような作業を区別しておくようにしましょう。
・形見分け
・貴重品と貴重品ではないものを分ける
・売るものは売ってしまう
・処分するものは処分する

形見分けについては、まず必ずやらなければ行けないものではありません。形見分けをしたい人はして、したくない人はしないというスタンスで良いと思います。ただ、形見分けの日程的なものとしては、人が亡くなると色々な宗教的な行事がありますので、四十九日以降が良いでしょう。

あとは、遺されたものについてどうするのかということですが、貴重品とそうでないものをしっかりチェックしましょう。ここでのポイントとしては売れるものがあれば売ってしまい、不用品であると思えるものは勇気を持って廃棄するということが大切です。そのためにもまずは、気持ちを整理して、ジャーナリングの作業として遺品リストを作るということが効率的に処理できるコツです。